店舗集客のための「セグメンテーション」で唯一重要なこと

店舗集客設計士のヤマモトヒデユキです。
今回のテーマは「セグメンテーションを行ううえで唯一重要なこと」について。

結論から先に言うと…
いい加減な答えに聞こえるかもしれませんが、
セグメンテーションにはずばり「野生の勘と研ぎ澄まされた洞察力」が必要になります。

そんな野生の勘や洞察力を持ち合わせていない場合の解決策はあるのでしょうか?

さて、マーケティングをセオリー通りに進めるとすると、

・PEST分析(政治的要因や経済的要因などのマクロ環境変化から自社の所属する業界に影響を与える要因をピックアップし成功要因を導き出す手法)
・SWOT分析(強み、弱み、機会、脅威の4つの軸で外部環境と内部環境を分析し、自社が参入を検討すべき魅力的な市場を発見する手法)

などの手法を用いた
「マーケティング環境分析」の次にくる「マーケティング戦略立案」のフェーズで、

・セグメンテーション(市場細分化)
・ターゲティング(狙う市場の決定)
・ポジショニング(自社の立ち位置の明確化)

を行い、
ターゲットとなる生活者は誰なのか?
そのターゲットの欲求を満たしたり不満を解消するような商品やサービスは何なのか?
を明らかにし、
「製品」「価格」「販売チャネル」「プロモーション」といった
マーケティングミックスを策定することになります。

お金や人といった経営資源は有限であり、
生活者のニーズやライフスタイルは多様化しているので、
環境分析で明らかにした有望な市場の中から、
自社が勝てる可能性の高い特定の市場を切り取る「セグメンテーション」が必要となります。

「セグメンテーション」を行う上で重要なポイントを
一般的なマーケティングの教科書から抜粋すると

・市場をモレなくダブりなく(MECE)分解すること
・分解した集団が ある程度同じ傾向の特徴があること
・商売が成立する適正な市場規模を持っていること

ということですが、分解する切り口には、

・性・年齢といった人口統計的条件(デモグラフィック変数)
・居住する国・都市・地域といった地理的条件(ジオグラフィック変数)
・個人の趣味や価値観といった生活者の心理特性(サイコグラフィック変数)
・過去の購買動向や使用頻度といった消費者の知識や態度(行動変数)

などの一般的な切り口のほか、
アサヒ飲料の大ヒットした朝専用缶コーヒーのように
「朝」「昼」「夜」というコーヒー市場では斬新な切り口による細分化など、
市場によってどんな切り口で分解するのがいいのかは、
担当者自身が決める必要があります。

また、細かく分解すればするほど、
特定の傾向はどんどん強まりますが、市場規模は逆にどんどん小さくなってしまいます。

そんなことを突き詰めていくと、
MECEに頭を悩ましながら理詰めで答えに近づくよりも、
やはり野生の勘や研ぎ澄まされた洞察力に頼ったほうが
答えに早く辿り着きそうな気がしてなりません。

一度俯瞰して課題を見つめ直したり、ゼロ秒思考で考え直したり…
生真面目に考えるだけでは辿り着かない「ジャンプする」という感覚。

「野生の勘」が働かない場合や、
「研ぎ澄まされた洞察力」を発揮するような経験が無かったり、
「ジャンプする感覚」という第六感的なものが理解できない場合は、
先程のアサヒ飲料の朝専用缶コーヒーをヒントに、
その細分化の切り口となった「オケージョン」に着目してみましょう。

「人」に共通の傾向を見出そうとする他のセグメンテーションと異なり、
「欲求や悩み」に共通の傾向を見出そうとする「オケージョン基準」による市場の細分化は、
MECEにこだわり過ぎて狙いどころが明確でない細分化よりも、
よほど本質的でパワフルなセグメンテーションが期待できるでしょう。

以上、参考になれば幸いです。

店舗集客コンサルタント ヤマモトヒデユキ

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